JAS規格編 (果実飲料)

果実飲料JASマーク製品のポイント
このQ&Aは、2010年8月のJAS情報に掲載された内容を基に、一部修正して作成しています。
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果実飲料で、JASマークの付いた製品とマークの付いていない製品では何が違うのですか。

製造工場の施設・設備や担当者の資格について、国の定める基準をクリアしていることが第三者機関(登録認証機関)の事前審査によって確認され、かつ、その工場で製造された製品の糖度や使用食品添加物等について、国の定める基準(果実飲料の日本農林規格(JAS規格))をクリアしていることが検査で確認されたものでなければJASマークを付けることができません。すなわち、JASマークが付いた果実飲料製品は、これらの基準の全てをクリアしていることを保証しています。

 

JASマークを付けるための糖度の基準が決まっているのですか。

果実ジュース(いわゆる「果汁100%」の製品をいいます。)にJASマークを付けるためには、果実の種類ごとに定められた糖度(又は酸度)の基準をクリアする必要があります。例えば、「うんしゅうみかんジュース(ストレート)」と表示された製品にJASマークを付けるためには、「糖度が9°Bx(※)以上」という基準があります。このため、一般的に、糖度が低いとされる未熟果等を使用した場合には、この基準をクリアすることができません。JASマークを付けるためには、基準以上の糖度の、熟した果実を原料として使用する必要があります。
※Bx(ブリックス):国際規格であるCodex等でも用いられている糖度の単位

 

原料の果実は、糖度が高ければどんなものでもいいのですか。

JAS規格では、糖度のほかに、エタノール分、揮発性酸度(りんご、ぶどうの場合)等の基準が定められています。例えばエタノール分の場合、原料果実として腐敗したものを使用していないことを確認するために、その含有量が一定の基準以下であることとなっています。したがって、糖度が高くて、熟した果実を使用したとしても、この基準を超えた製品にはJASマークを付けることができません。

 

原料果実の品質以外にも基準はあるのですか。

JAS規格では、「果実ジュース」や「果汁入り飲料」(いわゆる「果汁100%未満」の製品をいいます。)等の類別ごとに、使用できる食品添加物が限定されています。また、ストレート以外の果実ジュースには砂糖類を加えることができますが(別途「加糖」の表示は必要です。)、それでも加えることのできる砂糖やはちみつの量が制限されているので、JASマークの付いた果実ジュースは、果実本来の甘さを生かした飲料であると言えます。

 

JASマークが付いた果実飲料製品は、表示も正しいのですか。

JASマークの下に「日本果汁協会」(果実飲料に関する我が国の代表的な登録認証機関)の名称に付いている果実飲料製品は、JAS法等に基づいた正しい表示がなされているか否かについて、同協会がチェックしています。

 

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JAS規格編 (しょうゆ)

しょうゆJASマーク製品のポイント
このQ&Aは、2010年9月のJAS情報に掲載された内容を基に作成しています。
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JASマークの付いているしょうゆは、どのようなものですか

JASマークの付いているしょうゆは、「品質」や「原料から出荷までの工程」について、国が定めた一定の基準(しょうゆのJAS規格等)をクリアしていることを、第三者機関の定期的検査によって確認されたものです。

 


しょうゆのJASマークに特級や上級や標準といった等級が書いてありますが、どういう意味なのですか

しょうゆには、うま味の成分であるグルタミン酸などのアミノ酸がたくさん含まれています。グルタミン酸をはじめとするアミノ酸類は窒素化合物なので、窒素分が多いほど、うま味が強いということなのです。しょうゆの等級は、うま味の強さを数字で表す「窒素分」を計り、「色の度合い」や「エキス分(無塩可溶性固形分)」などを検査し、専門家による「官能検査」を行って、色・味・香りを総合的に判断して決めています。

 

しょうゆに「超特選」や「特選」という言葉がついているものがありますが、JAS規格の「特級」とどう違うのですか

「超特選」や「特選」は製造者が勝手に付けられるものではありません。JAS規格の「特級」の中で、うま味成分である窒素分またはエキス分(無塩可溶性固形分)がより多く含まれているしょうゆは、国が定めたしょうゆ品質表示基準に従って、「超特選」や「特選」という表示を使うことができます。

 

しょうゆには、「こいくちしょうゆ」とか「うすくちしょうゆ」とかありますが、JAS規格ではどうなっていますか

JAS規格では、①こいくちしょうゆ、②うすくちしょうゆ、③たまりしょうゆ、④さいしこみしょうゆ、⑤しろしょうゆの5つに分類しています。全国生産量の8割以上を占めるこいくちしょうゆは、原材料の特徴として大豆にほぼ同量の小麦を使用しているものです。大豆にほぼ同量の小麦を使用したうえで、さらに少量の米を使用するといった原材料の特徴を持つものが、うすくちしょうゆ(全国生産量の1割以上を占める)です。その他の3つの分類も各々異なった原材料の特徴を持っており、全国生産量に占める割合は各々約1~2%程度ですが、ローカル色のあるしょうゆです。

 

しょうゆのJASマークに日本醤油技術センターという名前が付いていますが、どんな団体ですか

JASマークの行いたしょうゆが、国が定めた一定の基準をクリアしていることを定期的に検査しているのが、財団法人日本醤油技術センターです。日本醤油技術センターでは、農林水産省の登録を受けて、しょうゆの品質向上と正しい表示のために活動しています。

 

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JAS規格編(即席めん)

即席めんJASマーク製品のポイント
このQ&Aは、2010年10月のJAS情報に掲載された内容を基に作成しています。
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即席めんのJAS規格について教えてください

即席めんのJAS規格は昭和40年(1965)に制定されました。(社)日本ラーメン工業協会=現(社)日本即席食品工業協会が格付機関に指定され、JAS製品の普及が図られた結果、現在では生産量の75~80%がJAS製品となっています。即席めんのJAS規格は、技術の進歩や消費者の要請を踏まえ、時代とともに変遷を重ね、食品衛生法が認めている食品添加物ですら大幅に制限するなど大変厳しいものになっています。JAS法に基づき、登録認証機関である一般社団法人日本即席食品認定協会が全国46の即席めん認定工場で、毎年、格付業務をチェックし、また食品分析センターに市販品の規格合否検査を依頼しています。

 

即席めんは今や世界的な製品ですが、国際規格はどうなっていますか

国際食品規格に関する国際機関であるコーデックス(Codex)において、平成18年(2006)にインスタントヌードル(小麦以外の麺も対象)の規格が制定されました。これを踏まえて、JAS規格の見直しが行われ、油脂の酸価等について整合性が図られました。我が国のJAS即席めんは世界に通用するものとなっています。

 

インスタントラーメンの麺には「かんすい」が使われているそうですが、どんなものですか

「かんすい」は中華麺をはじめ餃子や中華饅頭の皮等に独特の風味や色合いを付けるもので、中国では2千年以上前から使用されてきました。豆腐の製造に「にがり」が欠かせないように、これら中華食材の製造に一般に使用されるものです。「かんすい」の成分もJAS規格に添加物として定められており、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウムを単独で、またはいくつか混ぜて使っています。

 

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JAS規格編 (乾めん類、手延べ干しめん)

乾めん類、手延べ干しめんJASマーク製品のポイント
このQ&Aは、2010年11月のJAS情報に掲載された内容を基に作成しています。
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JASマークの付いている乾めんはどのようなものですか

JASマークの付いている乾めんは、国が定めた乾めんのJAS規格どおりに作られたことが保証されている安全・安心の食品です。乾めんのJAS規格には、乾めん類JAS規格と手延べ干しめんJAS規格(特定JAS規格)がありまして、さらに乾めん類JAS規格には干しそば規格と干しめん規格があり、干しそば規格には全く食品添加物はありませんし、干しめん規格にもほとんど食品添加物はありません。また、手延べ干しめんJAS規格にも全く食品添加物はありません。

 

乾めん類JAS規格とはどのようなものですか

乾めん類JAS規格では、乾めん類とは、①小麦粉又はそば粉に食塩、やまのいも、抹茶、卵等を加えて練り合わせた後、製めんし、乾燥したもの。②調味料、やくみ等を添付したものもあります。乾めん類JAS規格のうち、干しぞば規格はそば粉を使用したものであり、干しめん規格は小麦粉を使用したものです。干しそば規格には上級と標準があり、そば粉が50%以上のものが上級であり、50%未満~40%以上のものが標準です。

 

手延べ干しめんJAS規格とはどのようなものですか

手延べ干しめんは作り方に特徴があり、手延べ干しめんJAS規格では、①手作業の工程(かけば工程、小引き工程及び門干し工程の順番に手作業で行う)、②熟成期間(工程と工程の間の熟成はそれぞれ一定の時間以上かけることとなっている)が定められています。手延べ干しめんJAS規格によれば、手延べ干しめんは、①小麦粉に食塩水を加えて練り合わせること(混合工程)をした後、②食用植物油又はでん粉を塗って「より」をかけながら順次引き伸ばしてめんとし、乾燥したもので、上記手延べ干しめんの特徴ある作り方をしたものでして、③さらに、調味料又はやくみを添付したものもあります。

 

乾めんがJAS規格どおりに作られていることはどうやって守られているのですか

一般社団法人乾めん・手延べ経営技術センターは、乾めんにJASマークを付けている企業が国の定めた①JAS規格や、②厳しい生産管理体制を守っているか否かを定期的に工場調査及び市販品を買い上げ検査しています。

 

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